グルコシルセラミドについて ③

生成について

グルコシルセラミドは、哺乳動物の全ての細胞に含まれています。
生成は細胞の中、ゴルジ体と呼ばれる器官の膜上で行われています。

ゴルジ体の膜にはグルコース転移酵素があり、小胞体で作られ運ばれてきたセラミドと細胞に取り込まれたグルコースを材料としてグルコシルセラミドを合成しています。

グルコシルセラミドは、哺乳動物のすべての細胞に普遍的に存在する重要な脂質成分です。このグルコシルセラミドは、細胞内の特定の器官であるゴルジ体の膜上で生成されています。

ゴルジ体は細胞内の複数の機能を担い、特に分泌や膜タンパク質の修飾、リン脂質の合成などの役割を果たす器官です。このゴルジ体の膜上には、グルコース転移酵素という酵素が存在しており、この酵素がセラミドとグルコースを材料としてグルコシルセラミドの合成を行っています。

具体的には、小胞体と呼ばれる別の細胞小器官で生成されたセラミドがゴルジ体へ運ばれ、また細胞内から取り込まれたグルコースもゴルジ体に供給されます。ゴルジ体内のグルコース転移酵素は、これらの材料を利用してグルコシルセラミドを合成します。

この合成されたグルコシルセラミドは、細胞膜や細胞内の膜構造に組み込まれることで、細胞の機能やバリア機能を調節し、さまざまな生理的なプロセスに寄与します。グルコシルセラミドの正確な合成と調節は細胞の健康と機能に欠かせない重要な役割を果たしており、その研究は細胞生物学や生理学において重要なテーマとなっています。

グルコシルセラミドの生合成

引用:NIID国立感染症研究所

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会