グルコシルセラミドの皮膚改善効果と作用機序について 2

表口にて摂取されたグルコシルセラミドが腸内で分解・吸収されることで様々な作用を持つことが、動物実験や細胞を用いた実験などで研究がされています。

特にパイナップル由来グルコシルセラミドがもつ分子構造は、腸管から吸収された後の肌に対する多くの機能性が報告されています。

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グルコシルセラミドの皮膚改善効果と作用機序について 1

セラミドは経口摂取により抗腫瘍や抗炎症効果が示される研究結果が示されており、食品機能成分として注目を集めています。
皮膚炎症状の改善効果における作用機序を解明するための研究が行われ、パイナップル由来グルコシルセラミド特有の効果について報告がされています。

① マウスを使用した皮膚乾燥症状の改善効果について

皮膚に乾燥症状を引き起こす特殊飼料(HR-AD)を食餌として与えられたマウスにパイナップル由来グルコシルセラミド(P-GluCer)を経口投与することで炎症の改善が見られる

〈作用機序〉
HR-ADにより引き起こされる血中TGF-β(細胞増殖因子)の減少をP-GluCerが元の状態まで回復させるため

この作用についても細胞を用いた研究(in vitro)にてさらに詳細な作用機序の解明が行われています。

グルコシルセラミドの皮膚改善効果と作用機序についてイメージ

引用:コスメトロジー研究報告 Vol.28,2020

グルコシルセラミドについて ⑦

セラミドの役割(情報伝達物質として2)

外部からの刺激によりセラミドが脂質メディエーターとして細胞の増殖抑制、分化促進、細胞死の誘導など生理活性をもつことが示されていますが、セラミドの代謝産物も同様にメディエーターとしての役割を果たしています。

セラミドが酵素により代謝されて産生されるスフィンゴシン-1-リン酸およびセラミド-1-リン酸は抗菌ペプチドの産生を調節することが示唆されています。

抗菌ペプチドは生体防御に必須な自然免疫のひとつです。

グルコシルセラミドについて7

引用:Drug Delivery System

グルコシルセラミドについて ⑥

セラミドの役割(情報伝達物質として1)

セラミドが皮膚の角質においてラメラ構造の形成などバリア機能に大きく寄与していますが、細胞の増殖抑制や性状の変化(分化)、細胞死(自死)を誘導する情報伝達物質としての重要な役割を持っています。

セラミドはスフィンゴ脂質と呼ばれる物質群に分類されており、細胞の機能を調節する重要な脂質メディエーターの1つとされています。

脂質メディエーターは普段は細胞内に含まれる量は少量ですが、外部からの刺激(紫外線・酸化ストレス・細菌感染など)に反応し、増加することで生理活性を示します。

セラミドの役割(情報伝達物質として)イメージ

引用:Drug Delivery System

グルコシルセラミドについて ⑤

バリア機能とラメラ構造

人の皮膚は外界からの微生物や化学物質、紫外線など様々なストレスから生体を保護しています。
その皮膚の中でも最も重要な機能を担っているのが、表皮の最も外側のわずか20μm程の厚さの角層です。

角層は成熟した角質細胞が何層にも重なった層板構造をしており、その隙間をセラミドを主成分とした細胞間脂質がセメントのように満たしているラメラ構造を形成しています。

セラミドは親水性部分と疎水性の両親媒性を持ち、親水性部分に水を保持することができます。これにより角質細胞の結合だけでなく、肌荒れ等乾燥を防ぐ保湿効果など、バリア機能に重要な役割をはたしています。

バリア機能とラメラ構造

引用:生化学

グルコシルセラミドについて ④

生成について

セラミドは皮膚構造の中で主に表皮を構成する細胞であるケラチノサイトから産生されています。

ケラチノサイトは表皮の大部分を占め、最下層である基底層で分裂を繰り返しながら性状を変え有棘層・顆粒総・角層を形成している細胞です。
セラミドのみならず、脂肪酸やコレステロールなど多様な物質を産生し、保湿・抗菌・解毒機能を備えた脂質多層膜(ラメラ)構造を形成しています。

ケラチノサイトは多様な構造のセラミドを産生していることが知られており、
これらは上記の皮膚の透過バリア機能として働く他、免疫機構へのメディエーター(情報伝達)機能を持っていることが発表されています。

ケラチノサイトの形状

引用:生化学

グルコシルセラミドについて ③

生成について

グルコシルセラミドは、哺乳動物の全ての細胞に含まれています。
生成は細胞の中、ゴルジ体と呼ばれる器官の膜上で行われています。

ゴルジ体の膜にはグルコース転移酵素があり、小胞体で作られ運ばれてきたセラミドと細胞に取り込まれたグルコースを材料としてグルコシルセラミドを合成しています。

グルコシルセラミドの生合成

グルコシルセラミドについて ②

名称について

セラミド(Ceramide)は スフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合した化合物の総称とされています。

セラミドに糖が結合したものはスフィンゴ糖脂質と呼ばれ、結合する糖鎖が多様に存在するため非常に多くの種類が見つかっています。
そのなかでもグルコースと結合したものをグルコシルセラミド(別名:グルコセレブロシド)と総称し、様々な植物(パイナップル他コメ・こんにゃく等)から抽出されています。

グルコシルセラミドについて

グルコシルセラミドについて ①

グルコシルセラミドについて理解するには、まずセラミドを理解する必要があります。
セラミドとは細胞と細胞、皮脂、角質をつなげている接着剤のようなもので、細胞間脂質と呼ばれているものです。
セラミドは皮膚内に水分を閉じ込めてうるおいを保ち、外部からの刺激、ストレスから肌の恒常性(健康)を保つバリア機能を担っています。

セラミドは本来、肌の細胞から生成されるものですが、加齢などによる影響で年々生成量が減ってゆき、これが乾燥肌、肌荒れなどの肌トラブルにつながっていきます。
そのため、肌の健康を保つために様々な方法でセラミドを補充する必要があり、そのための研究が長い間続けられています。

一言にセラミドといっても何種類も存在し、グルコシルセラミドはその一種ということになります。

これらセラミドについて働きや構造、生成方法の違いなどを紹介していきます。

パイナップル果実エキスの美容効果 作用機序②-2

〈グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスによる美白作用〉

グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスに含まれるフィトールがビタミンEおよびビタミンKへと生合成されることで美白作用を示すほか、フィトールによるグルタチオンの産生を促進する作用も報告されています。

グルタチオンはメラニン合成に関与する酵素であるチロシナーゼの働きを抑制することが確認されています。

グルタチオンのメラニン産生抑制作用もフィトールの美白作用の機序のひとつと考えられています。

パイナップル果実エキスの美容効果 作用機序のイメージ

引用:粧技誌