真皮をターゲットにした機能性②(in vitro機能性の検討)

真皮組織の主要な細胞である皮膚線維芽細胞は細胞外マトリックスを形成するコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン等のタンパク質を産生しています。
線維芽細胞のこれらタンパク質の産生能低下は細胞外マトリックスの量的な減少を引き起こし、多くの肌トラブルの原因ともなります。

本研究では線維芽細胞の培養系にパイナップルセラミドを処理したことによる、Ⅰ型コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンの産生能の向上を検討しています。

皮膚の真皮組織とその役割

皮膚は私たちの体を覆う最も大きな臓器であり、外部の刺激や乾燥から体を守る重要なバリアの役割を果たしています。真皮組織は、この皮膚の中でも特に重要な層であり、その主要な細胞である皮膚線維芽細胞が存在します。これらの細胞は、肌の弾力や保湿力を維持するための細胞外マトリックスを形成する役割を持っています。

細胞外マトリックスとは

細胞外マトリックスは、細胞の間に存在するゲル状の物質であり、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどのタンパク質で構成されています。これらのタンパク質は、肌のハリや潤いを保つために不可欠な成分であり、その産生が低下すると、肌の老化やトラブルの原因となることが知られています。

パイナップルセラミドの効果

最近の研究では、パイナップルから抽出されるセラミドが、線維芽細胞のタンパク質の産生能を向上させることが示されています。具体的には、パイナップルセラミドを線維芽細胞の培養系に添加することで、Ⅰ型コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンの産生が促進されることが確認されています。

研究の詳細とその意義

図を基に、線維芽細胞の培養系にパイナップルセラミドを処理した結果、これらのタンパク質の産生がどのように促進されるのかを詳しく解説しています。この研究結果は、パイナップルセラミドが持つ美容効果を科学的に裏付けるものであり、今後のスキンケア製品の開発や、健康食品の研究においても大きな意義を持つことが期待されます。

まとめ

パイナップルセラミドは、その保湿効果や肌のハリを保つ効果など、多岐にわたる美容効果を持つことが科学的に証明されています。これらの効果を最大限に引き出すためには、適切な摂取量や使用方法が重要です。日常のスキンケアや食生活に、パイナップルセラミドを取り入れることで、より健康的で美しい肌を手に入れることができるでしょう。

引用:FOOD STYLE21

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会