パイナップル果実エキスの美容効果 作用機序①-1

グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスの美容効果について検討がされています。
多角的な検討から、グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスには大きく分けてバリア機能改善作用とメラニンを抑える作用の2つの美容効果が認められました。

研究により示された各作用の作用機序について報告されています。

〈グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスによる肌バリア機能の改善作用〉

ヒトの細胞(表皮角化細胞)を用いた遺伝子発現の研究から、グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスの処方により、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)という酵素の産生を指示するmRNAの発現が亢進され、セラミドの合成がより進むことが確認されました。
合成されたセラミドは肌のバリア機能に関与することになります。

グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスの美容効果に関する研究は、その複雑な機序を詳細に解明しようと積極的に行われています。多面的なアプローチを通じて、この果実エキスが特に肌のバリア機能の改善とメラニンを抑える効果という2つの美容効果を有することが明らかにされています。

これらの効果の根底にある分子メカニズムに関する情報も、逐一報告されています。

〈グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスによる肌バリア機能の改善作用〉

ヒトの表皮角化細胞に関する遺伝子発現の研究により、グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスの処方が、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)という重要な酵素の遺伝子の発現を増強することが明らかにされました。この過程により、セラミドの生合成が増進され、肌の角質層におけるセラミドの含有量が増加します。
増加したセラミドは、肌表面における水分蒸発を防ぎ、外部からの刺激や環境ストレスから肌を守る役割を果たすと共に、肌の柔軟性と弾力性を保持するのに寄与するとされています。

このようなバリア機能の向上は、肌の健康状態を維持し、外部要因による損傷を軽減する要素として重要です。グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスのこの作用機序を理解することは、肌のトーンアップと保湿効果の向上に寄与する可能性が示唆されています。



引用:粧技誌

監修

江口  文陽
江口  文陽学長
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、
2021年4月より東京農業大学 学長に就任、
2023年7月より東京農業大学 理事長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会