パイナップル果実エキスの美容効果⑥ 肌荒れ改善効果(2/3)

人為的な肌荒れに対するグルコシルセラミド配合製剤の塗布による改善効果を水分蒸散量を測定することで評価しています。

肌荒れ惹起前の蒸散量(TEWL値)を100%として、試験開始1,7,14,21,28日目の蒸散量の変化率(TEWL%) を算出しています。

SDS処理1日後で水分蒸散量は著しく増加しますが、グルコシルセラミド配合製剤を塗布した群では無配合製剤を塗布した群と比べ、すべての試験日で水分蒸散量が低下する傾向が見られ、特に14日後の水分蒸散量は有意に低下する結果が得られました。

この研究は、肌の健康と美しさに影響を与える重要な要素である水分蒸散量に着目し、特に肌荒れ症状における水分蒸散量の変化を詳細に評価することを目的としています。

実験の手法は、肌荒れが引き起こされる前と試験開始後の1日、7日、14日、21日、28日目における水分蒸散量(TEWL値)の変化率(TEWL%)を計測しました。この際、肌荒れ惹起前の水分蒸散量を基準とし、試験期間中の変動を定量的に評価しました。

実験結果から明らかになったのは、SDS処理後の1日目においては、水分蒸散量が顕著に増加する傾向があることです。しかし、グルコシルセラミド配合製剤を塗布した群では無配合製剤を使用した群と比較して、試験期間中すべての試験日において水分蒸散量が低下する傾向が見られました。特に、試験開始後14日目においては、グルコシルセラミド配合製剤を使用した群で有意に水分蒸散量が低下する結果が得られました。

これは、グルコシルセラミドが肌の保湿機能を向上させる可能性があることを示唆しており、肌荒れ時の水分蒸散量の増加を抑制し、肌の保護層を強化する効果があるかもしれません。そのため、グルコシルセラミド配合製剤は肌荒れ改善において、水分バランスの維持と健康な肌状態の維持に寄与する可能性があると言えるでしょう。


引用:粧技誌

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会