パイナップル果実エキスの美容効果⑦(3/5)

グルコシルセラミド配合製剤を摂取することに加え、同時に塗布することで紫外線照射惹起色素沈着部位の美白作用の向上が見られるかについて検証しています。

グルコシルセラミド配合製剤の摂取期間にグルコシルセラミド配合製剤とグルコシルセラミド無配合(プラセボ)製剤を摂取した際の肌の明るさ(L*値)の改善効果の報告がされています。

この研究は、グルコシルセラミド配合製剤の摂取と外用塗布の両方を組み合わせることで、紫外線による色素沈着改善の相乗効果を検証しています。

実験では、被験者が一定期間にわたりグルコシルセラミド配合製剤を摂取し、同時に別の部位にはグルコシルセラミド配合製剤またはプラセボを塗布する方法が採用されました。このアプローチにより、内部からのセラミド補給と外部からのアプローチを結び付け、紫外線が影響を及ぼす部位での美白作用を増強しました。

研究では、グルコシルセラミド配合製剤の摂取期間中に、グルコシルセラミド配合製剤とプラセボを同時に摂取する場合の肌の明るさ(L*値)の変化を調査しました。L*値は肌の色調や明るさを示す指標であり、色素沈着や肌のトーンアップの評価に使用されます。

この研究は、内部からの摂取と外部からの塗布を組み合わせることで、紫外線による色素沈着部位での美白作用をどれだけ向上させるかを科学的に評価しました。結果からは、この組み合わせアプローチにより、通常の摂取のみに比べて色素沈着改善効果が顕著に増大する可能性が示唆されています。

この効果は、外用塗布によって色素沈着部位で直接セラミドが供給されることで起こります。また、内部からの摂取と外部からの補給の相乗効果により、セラミドの合成や代謝が活性化されることが期待されます。

この研究結果は、グルコシルセラミド配合製剤の美容効果に新たな可能性を開くものとして注目されます。今後の研究により、この組み合わせアプローチの詳細なメカニズムが解明され、実用化への道が拓かれることが期待されます。

内外美容効果 美白作用の相乗効果の検討イメージ
グルコシルセラミド配合製剤(内服剤)の摂取期間中に、グルコシルセラミド配合製剤(外用剤)の塗布を
行った時の肌の明るさ(⊿L値)の検討
測定機器:CM-700d Spectrophotometer(コニカミノルタ社)

引用:粧技誌

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会