パイナップル果実エキスの美容効果⑦(5/5)

グルコシルセラミド配合製剤を塗布することに加え、同時に摂取することで紫外線照射惹起色素沈着部位の美白作用の向上が見られるかについても検証されています。

グルコシルセラミド配合製剤の塗布期間にグルコシルセラミド配合製剤とグルコシルセラミド無配合(プラセボ)製剤を摂取した場合のメラニン量低下について改善効果の報告がされています。

メラニン量(%)=A / B ×100

 A:各試験日のメラニン量
 B:試験0日目のメラニン量

この研究において、グルコシルセラミド含有製剤の外用塗布と内部からの摂取の両方が、紫外線照射による色素沈着へのアプローチに有望であることが示唆されています。

具体的な結果として、グルコシルセラミドを含む製剤を皮膚に塗布することで、セラミドの合成が促進されることが観察されました。セラミドは肌のバリア機能を強化し、外部からの刺激や環境ストレスから肌を保護する重要な成分です。一方で、同じ期間に内部からのアプローチを取ることで、紫外線による色素沈着の低下が数値化されました。

このような多角的なアプローチによって、外部からの保護と内部からの調整が組み合わさることで、紫外線照射によって引き起こされる色素沈着に対する改善効果が増大する可能性が示唆されています。この点は、肌美容において新たな展望を開く重要な研究結果と言えるでしょう。

また、メラニン量の低下率を計算する式は、試験日のメラニン量を試験0日目のメラニン量で割り、その結果を100倍することで求められます。この式は、メラニン量の変化を客観的かつ数値的に評価するための有効な手段と言えます。

以上の研究から、グルコシルセラミド含有製剤の外用塗布と内部からの摂取が、色素沈着の改善に向けた有望な方法であることが示されています。今後のさらなる研究により、これらのアプローチが肌美容の実現に果たす役割が一層明らかにされることが期待されます。

グルコシルセラミド配合製剤(外用剤)の塗布期間中に、グルコシルセラミド配合製剤(内服剤)の摂取を行った時のメラニン量低下率の検討
グルコシルセラミド配合製剤(外用剤)の塗布期間中に、グルコシルセラミド配合製剤(内服剤)の摂取を行った時のメラニン量低下率の検討

引用:粧技誌

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会