パイナップル果実エキスの美容効果 作用機序①-2

グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスの摂取および、肌への塗布による美容効果の作用機序について報告されています。

〈グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスによる肌バリア機能の改善作用〉

摂取されたグルコシルセラミドは消化の過程でセラミドに分解され、リンパ液をめぐり、皮膚に作用すると考えられています。
また、グルコシルセラミドを肌に塗布することで、角質浸透し、β‐グルコセレブロシダーゼにより分解され角質中のセラミド源となることが確認されています。

グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスの摂取および、肌への塗布による美容効果の作用機序に関する研究が報告されています。

〈グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスによる肌バリア機能の改善作用〉

グルコシルセラミドを含むパイナップル果実エキスの摂取による肌バリア機能の改善作用は、消化過程でのセラミドへの分解とその後のリンパ液を通じた体内循環によって引き起こされると考えられています。セラミドは皮膚の主要な構成要素であり、そのバリア機能向上は外部からの刺激や水分の損失から肌を保護する重要な役割を果たします。このため、摂取されたグルコシルセラミドが消化過程でセラミドへと分解され、リンパ液を経由して皮膚に到達し、セラミドの補充とバリア機能の向上をもたらすという仮説が立てられています。

また、グルコシルセラミドを肌に塗布することで得られる作用機序も注目されています。肌への塗布により、グルコシルセラミドは角質層に浸透します。そこで、β‐グルコセレブロシダーゼと呼ばれる酵素によってグルコシルセラミドが分解され、その成分が角質中のセラミド源として機能することが確認されています。このプロセスにより、皮膚の角質層におけるセラミドの量が増加し、バリア機能の向上と水分保持能力の増加が期待されます。このように、グルコシルセラミドの外部からの供給によって、肌表面におけるセラミドのバランスが調整され、肌の健康と美容に寄与すると言えるでしょう。

これらの研究結果から、グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスが肌バリア機能の改善に関与する可能性が示唆されています。さらに、この作用機序をより詳細に解明することで、美容製品や健康製品としての応用が展望されています。

パイナップル果実エキスの美容効果 作用機序①-2

引用:粧技誌

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会