パイナップル果実エキスの美容効果 作用機序②-2

〈グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスによる美白作用〉

グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスに含まれるフィトールがビタミンEおよびビタミンKへと生合成されることで美白作用を示すほか、フィトールによるグルタチオンの産生を促進する作用も報告されています。

グルタチオンはメラニン合成に関与する酵素であるチロシナーゼの働きを抑制することが確認されています。

グルタチオンのメラニン産生抑制作用もフィトールの美白作用の機序のひとつと考えられています。

グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスには、美白作用が確認されています。この作用は、含まれるフィトールがビタミンEおよびビタミンKへと生合成されることで実現します。フィトールの美白作用に加えて、グルタチオンの産生を促進する効果も報告されています。

グルタチオンは、メラニン合成において重要な役割を果たす酵素であるチロシナーゼの活性を抑制することが実証されています。チロシナーゼはアミノ酸のチロシンを酸化し、メラニンの前駆体であるドーパキノンに変換する過程で関与しています。過剰なメラニンの生成は肌の色素沈着やシミの原因となるため、チロシナーゼの過度な活性を抑えることは、美白作用にとって重要です。

フィトールがグルタチオンの産生を促進する効果による美白作用は、フィトールの美白機序の一つとして考えられています。グルタチオンは肌の免疫システムにおいても重要な役割を果たす抗酸化物質であり、メラニン合成に対するチロシナーゼの抑制効果を強化すると考えられています。その結果、フィトールによるグルタチオンの促進作用が、肌の色素沈着を軽減し、美白効果をもたらす機序の一つとして注目されているのです。

これらの成分を含むグルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスは、美白作用に寄与することが期待される有望な成分として研究されています。また、セラミドの種類によって異なる働きや機序があることを理解し、それぞれの特性を活用することで、さらなる美白効果を引き出す可能性も考えられます。

これらの研究結果から、グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスは有望な美白成分であり、肌のトーンアップや色素沈着の軽減に貢献することが期待されることが示されています。美白効果を持つグルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスは、肌の明るさや均一なトーンを実現するために、今後の美容製品開発において注目される成分と言えるでしょう。

パイナップル果実エキスの美容効果 作用機序のイメージ

引用:粧技誌

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会