パイナップル果実エキスの美容効果① 保湿・セラミド産生促進作用

植物由来のセラミド(グルコシルセラミド)が肌の保湿性を高める素材として注目されており、化粧品素材だけでなく、食品素材としても認知度が高まっています。
パイナップルの果実から開発されたグルコシルセラミド食品素材の肌に対する有用性について報告されています。

ヒトの表皮の主要な細胞である表皮角化細胞にパイナップル果実由来グルコシルセラミド食品素材を添加し培養することによるアクアポリン3(AQP3)およびHAS3の遺伝子発現促進作用を評価しています。

AQP3は皮膚の保湿や創傷治癒に密接に関わる遺伝子であり、この遺伝子が欠損したマウスは皮膚乾燥の症状を発現します。
HAS3は表皮におけるヒアルロン酸の合成に関わる遺伝子であり、ヒアルロン酸は水分保持、弾力性維持、細胞の移動や分化、増殖など多様な役割を担っています。

植物由来のセラミド、具体的にはパイナップル果実から抽出されたグルコシルセラミドは、肌の保湿性向上において注目を浴びています。この成分は単なる化粧品素材だけでなく、食品素材としても注目を集め、その有用性に関する報告が行われています。

実際の研究では、ヒトの表皮を構成する主要な細胞である表皮角化細胞に、パイナップル果実由来のグルコシルセラミド食品素材を添加し、培養することでアクアポリン3(AQP3)およびHAS3の遺伝子発現促進作用が確認されました。

AQP3は皮膚の保湿や創傷治癒に密接に関わる遺伝子であり、この遺伝子が不足すると皮膚乾燥が生じるという研究結果が報告されています。一方、HAS3は表皮におけるヒアルロン酸の合成に関与する遺伝子であり、ヒアルロン酸は水分保持や弾力性の維持、細胞の移動や分化、増殖などに多岐にわたる重要な役割を果たしています。

この研究結果は、パイナップル由来のグルコシルセラミドが肌の基本的な機能を向上させ、特に保湿や表皮の健康に寄与する可能性があることを示唆しています。これにより、美容および健康に意識の高い方々にとって、日常的なスキンケアや食事においてパイナップルが有益であることが期待されます。

このパイナップル由来のセラミドに焦点を当てた研究結果は、肌の保湿と健康に寄与する重要な情報を提供しています。特にAQP3やHAS3といった遺伝子の発現促進により、肌の水分バランスや弾力性が向上することが期待されます。これは美容や健康に興味を持つ読者にとって貴重な情報であり、日常生活に取り入れることで肌の健康維持に寄与するでしょう。


引用:粧技誌

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会