グルコシルセラミドの皮膚改善効果と作用機序について 1

セラミドは経口摂取により抗腫瘍や抗炎症効果が示される研究結果が示されており、食品機能成分として注目を集めています。
皮膚炎症状の改善効果における作用機序を解明するための研究が行われ、パイナップル由来グルコシルセラミド特有の効果について報告がされています。

① マウスを使用した皮膚乾燥症状の改善効果について

皮膚に乾燥症状を引き起こす特殊飼料(HR-AD)を食餌として与えられたマウスにパイナップル由来グルコシルセラミド(P-GluCer)を経口投与することで炎症の改善が見られる

〈作用機序〉
HR-ADにより引き起こされる血中TGF-β(細胞増殖因子)の減少をP-GluCerが元の状態まで回復させるため

この作用についても細胞を用いた研究(in vitro)にてさらに詳細な作用機序の解明が行われています。

グルコシルセラミドは、経口摂取によって抗腫瘍や抗炎症の効果が示されており、その食品機能成分としての注目度が高まっています。特に、皮膚の炎症状態の改善における作用機序を解明するための研究が行われ、パイナップル由来のグルコシルセラミドに特有の効果が報告されています。

具体的な研究例として、マウスを用いた皮膚乾燥症状の改善効果についての研究があります。この研究では、皮膚に乾燥症状を引き起こす特殊な飼料(HR-AD)を与えられたマウスに対して、パイナップル由来のグルコシルセラミド(P-GluCer)を経口投与することで炎症の改善が観察されました。

さらに、その作用機序については、血中のTGF-β(細胞増殖因子)濃度の低下がHR-ADによって引き起こされるが、P-GluCerによって元の状態に回復することによって改善が生じるという結果が得られました。

また、細胞を用いたin vitroの研究においても、さらなる詳細な作用機序の解明が進められています。

これらの研究結果からは、グルコシルセラミドが皮膚の改善に有効な効果を発揮し、その作用機序も一部明らかになってきていることが示唆されます。今後の研究によってさらなる詳細が解明されることで、グルコシルセラミドの皮膚改善効果に関する理解が深まるでしょう。

グルコシルセラミドの皮膚改善効果と作用機序についてイメージ

引用:コスメトロジー研究報告 Vol.28,2020

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会