グルコシルセラミドについて ⑦

セラミドの役割(情報伝達物質として2)

外部からの刺激によりセラミドが脂質メディエーターとして細胞の増殖抑制、分化促進、細胞死の誘導など生理活性をもつことが示されていますが、セラミドの代謝産物も同様にメディエーターとしての役割を果たしています。

セラミドが酵素により代謝されて産生されるスフィンゴシン-1-リン酸およびセラミド-1-リン酸は抗菌ペプチドの産生を調節することが示唆されています。

抗菌ペプチドは生体防御に必須な自然免疫のひとつです。

セラミドは、情報伝達物質としての役割を果たしています。さらに、外部からの刺激によってセラミドが脂質メディエーターとして働き、細胞の増殖抑制、分化促進、細胞死の誘導など、生理活性を示すことが明らかにされています。そして、セラミドの代謝産物も同様にメディエーターとしての役割を持っています。

具体的には、セラミドが酵素によって代謝されて産生されるスフィンゴシン-1-リン酸およびセラミド-1-リン酸が、抗菌ペプチドの産生を調節する可能性が示唆されています。

抗菌ペプチドは、生体防御に不可欠な自然免疫の一部であり、微生物に対する防御機能を担っています。

このような研究結果から、グルコシルセラミドはセラミドとその代謝産物によって生体内で複雑な情報伝達が行われ、細胞の生理的な調節に関与していることが示唆されます。今後の研究によって、さらなる詳細が解明されることで、グルコシルセラミドの機能やその応用可能性についての理解が深まるでしょう。

グルコシルセラミドについて7

引用:Drug Delivery System

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会