植物由来グルコシルセラミドの食品機能性 ②

動物由来のグルコシルセラミド(スフィンゴ脂質)に見られるガン細胞へのアポトーシス(細胞自然死)誘導作用が植物由来および真菌由来のグルコシルセラミドにも確認ができるかをヒト結腸ガン細胞株(Caco-2細胞)を用いて検討がされています。

植物から抽出されたスフィンゴ脂質をCaco-2細胞に添加し、TUNEL法によりアポトーシス核の特異染色を行った結果、断裂化した核のみが染色されていることが確認されたことから、植物由来スフィンゴイド塩基がCaco-2細胞においてアポトーシスを誘導していることが示されています。

最近の研究では、植物由来および真菌由来のグルコシルセラミドにおいて、動物由来のグルコシルセラミド(スフィンゴ脂質)と同様に、ガン細胞へのアポトーシス(細胞自然死)誘導作用が確認されているかを調査しています。この調査では、ヒト結腸ガン細胞株(Caco-2細胞)を使用して実験が行われました。

具体的には、植物から抽出されたスフィンゴ脂質をCaco-2細胞に添加し、TUNEL法と呼ばれる特殊な染色法を用いてアポトーシス核の特異的な染色を行いました。その結果、断裂化した核のみが染色されていることが確認されました。これにより、植物由来のスフィンゴイド塩基がCaco-2細胞においてアポトーシスを誘導していることが示唆されました。

この研究結果は、植物由来のグルコシルセラミドがガン細胞に対してアポトーシスを誘導する機能性を持っていることを示しています。この知見は、将来的にはがん治療や予防の新たなアプローチとなる可能性があります。

今後の研究では、植物や真菌から抽出されるグルコシルセラミドの種類や構造とアポトーシス活性の関係をさらに詳しく解明することが重要です。これにより、より効果的な食品の開発やがん治療への応用が進展することが期待されます。

植物由来グルコシルセラミドの食品機能性2

引用:オレオサイエンス

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会