植物由来グルコシルセラミドの食品機能性 ③

植物由来グルコシルセラミドの代謝産物であるスフィンゴイド脂質がガン細胞のアポトーシス(自然死)を引き起こす作用があることが示唆されていますが、セラミドの形態によるアポトーシス活性に差についての検討も行われています。

代謝されたスフィンゴイド塩基ではアポトーシス作用が認められたが、代謝を受けていないセラミドの状態ではアポトーシスの作用が見られないことがわかりました。
また、細胞膜透過型のセラミドC2-セラミドではアポトーシス作用が確認できたことから細胞膜透過性がアポトーシス活性に影響をすると考察されています。

植物由来のグルコシルセラミドには、ガン細胞のアポトーシス(自然死)を引き起こす作用があると示唆されています。具体的には、グルコシルセラミドが代謝されたスフィンゴイド脂質がアポトーシスを誘導する効果が見られました。一方、代謝を受けていないセラミドの状態ではアポトーシスの作用が観察されませんでした。

さらに、セラミドの形態によるアポトーシス活性の差についても研究が行われています。特に、細胞膜透過型のセラミドであるC2-セラミドでは、アポトーシス作用が確認されました。これは、セラミドが細胞膜を通過しやすい性質を持つことが、アポトーシス活性に影響を与える可能性を示唆しています。

これらの結果は、植物由来のグルコシルセラミドが食品の機能性に関与していることを示唆しています。特に、代謝されたスフィンゴイド脂質や細胞膜透過性の高いセラミドが、ガン細胞のアポトーシスを促進する可能性があります。

今後の研究によって、植物由来のグルコシルセラミドの構造と機能の関係や、アポトーシス活性を持つ最適な形態の特定が進められることが期待されます。これにより、グルコシルセラミドを含む食品の開発やがん治療・予防への応用がさらに進展するかもしれません。

植物由来グルコシルセラミドの食品機能性3

引用:オレオサイエンス

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会