植物由来グルコシルセラミドの食品機能性 ➃

グルコシルセラミドが代謝分解された状態であるスフィンゴイド塩基にガン細胞のアポトーシス(自然死)誘導活性が認められることが報告されていますが、その構造によってもアポトーシス誘導活性に差がみられることが報告されています。

ダイズ由来のスフィンゴイド塩基(トランス型構造)に比べ、トウモロコシやコムギ由来のスフィンゴイド塩基(シス型二重結合構造)に高いアポトーシス活性が認められたという結果が得られています。

この構造の違い(割合)は由来となる植物・真菌の種類によって顕著にことなっているという報告がされています。

植物由来のグルコシルセラミドが食品の機能性に関与していることについて述べています。グルコシルセラミドは、スフィンゴイド塩基という形でガン細胞のアポトーシス(自然死)を誘導する活性を持つことが報告されています。さらに、グルコシルセラミドの構造によって、アポトーシス誘導活性に差があることも報告されています。

研究では、ダイズ由来のスフィンゴイド塩基(トランス型構造)と、トウモロコシやコムギ由来のスフィンゴイド塩基(シス型二重結合構造)を比較した結果、シス型構造を持つトウモロコシやコムギ由来のスフィンゴイド塩基が、高いアポトーシス活性を示すことが示されました。

また、この構造の違いは、植物や真菌の種類によって顕著に異なることが報告されています。つまり、植物や真菌の種類によって、グルコシルセラミドの構造が異なり、それに伴ってアポトーシス誘導活性にも違いが生じることが示唆されています。

これらの研究結果は、植物由来のグルコシルセラミドが、がん治療や予防において有望な成分である可能性を示唆しています。さらなる研究によって、植物や真菌の種類によるグルコシルセラミドの構造と機能の関係を詳しく解明することが期待されています。

Composition of Sphingoid Bases in Plant and Fungal Glucosylceramides.

引用:オレオサイエンス

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会