パイナップルセラミドの基礎知識

そもそもセラミドって

肌の表面は角質で覆われています。角質は表皮細胞が死滅し層になったもので、この角質どうしを結合させているのがセラミドと呼ばれる脂質です。セラミドは脂質すなわち油ですが、水を抱え込む性質を持っています。
セラミドは肌のバリア機能や水分量の保持に重要な役割をはたしています。
昨今では、工業的に抽出や合成されたセラミドを美容ドリンクとして摂取する、美容液として塗布することによっても肌の機能性を改善することができることが研究結果により得られています。


セラミドは、皮膚や髪などの角質層に含まれる脂質の一種です。皮膚においては、角質層の細胞間脂質として存在し、皮膚の保湿やバリア機能の維持に重要な役割を果たしています。セラミドが不足すると、角質層のバリア機能が低下し、乾燥肌や敏感肌などの肌トラブルの原因になることがあります。

また、セラミドには、肌の老化によるシワやたるみなどの改善効果が期待されています。セラミドは、皮膚の細胞間脂質として、肌の水分を保持するバリア機能を持っているため、肌の水分保持力を高めることで、肌の弾力性を保つことができます。

一般的に、セラミドは加齢に伴い減少するため、スキンケア製品やサプリメントなどで補うことができます。スキンケア製品に含まれるセラミドは、角質層に浸透して、バリア機能を高める効果が期待できます。一方、サプリメントに含まれるセラミドは、体内に吸収されて、肌の水分保持力を高める効果が期待されています。

そもそもセラミドって

植物由来グルコシルセラミドとパイナップルセラミド

人の肌では7種類のセラミドが知られていますが、さらに分子構造の違いで多くの種類が存在します。
セラミドに糖(グルコース)が結合したものがグルコシルセラミドとされ、米やトウモロコシ、大豆、コンニャク芋などの植物から抽出されたものを植物性グルコシルセラミドと呼びます。
植物性セラミドは低刺激で肌の保湿性を高める素材として認知度を高めていますが、私共は加えて美白効果を有することが示唆されているパイナップル果実由来のセラミドであるパイナップルセラミドに注目しました。


植物由来グルコシルセラミドとパイナップルセラミドは、それぞれ異なる植物から抽出されるセラミドです。以下に、それぞれの特徴を説明します。

【植物由来グルコシルセラミド】 植物由来グルコシルセラミドは、小麦や米から抽出されるグルコシルセラミドのことを指します。グルコシルセラミドは、セラミドの一種で、角質層の構成成分の一つであり、肌の保水力を高める効果があります。また、グルコシルセラミドは、セラミドの中でも最も分子量が小さく、肌に浸透しやすい特徴があります。これにより、肌内部の水分を保ち、乾燥を防止する効果が期待できます。

【パイナップルセラミド】 パイナップルセラミドは、パイナップルの果実から抽出されるセラミドのことを指します。パイナップルセラミドには、セラミドの中でも特にセラミドAPという成分が含まれており、肌の水分保持能力を高める効果があります。また、パイナップルセラミドには、肌のターンオーバーを促進する酵素も含まれており、古い角質の除去や肌細胞の更新を促すことができます。

以上のように、植物由来グルコシルセラミドとパイナップルセラミドは、それぞれ異なる植物から抽出されるセラミドであり、肌の保水力を高める効果があります。どちらも肌の健康に役立つ成分であるため、スキンケア製品に含まれることが多く、乾燥肌や敏感肌の方には特におすすめです。

図1  パイナップル由来の主要なグルコシルセラミド構造
図1  パイナップル由来の主要なグルコシルセラミド構造

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会