パイナップルセラミドの機能性

美白効果

シミの原因であるメラニンの産生に対する効果をメラニン産生細胞を含む3次元皮膚モデルを用いて検討しました。
パイナップルセラミドを処理した3次元皮膚モデルはメラニンの産生が抑制される結果が得られています。

パイナップルセラミドは、直接的な美白効果はないものの、肌の保湿やバリア機能を高めることで、美白効果を間接的にサポートすることができます。肌の保湿が不十分だと、肌の乾燥や荒れが起こり、シミやくすみの原因になります。パイナップルセラミドは、肌のうるおいを保つことで、肌の健康を維持し、シミやくすみを防ぎます。

図3 ヒト3次元皮膚モデルでのメラニン産生抑制作用(培養終了後の顕微鏡写真)
図3 ヒト3次元皮膚モデルでのメラニン産生抑制作用(培養終了後の顕微鏡写真)

抗シワ効果

紫外線暴露により形成されるシワに対する効果をヘアレスマウスで検討しました。
食品用パイナップルセラミドを摂取したマウスは、摂取していないマウスに比べシワの形成が有意に抑制される結果が得られています。

パイナップルセラミドは直接的な抗シワ効果はありませんが、以下のような作用によって、肌の老化やシワの予防に役立ちます。

肌の保湿効果:肌の保湿が不十分だと、肌の弾力が低下し、シワやたるみが生じる可能性が高くなります。パイナップルセラミドは、肌のうるおいを保つことで、肌の弾力を保ち、シワの予防につながります。

肌のバリア機能の強化:肌のバリア機能を高めることで、紫外線や外部刺激から肌を守ることができます。紫外線や外部刺激による肌ダメージは、肌の老化やシワの原因になるため、肌を守ることでシワの予防につながります。

肌の新陳代謝の促進:パイナップルセラミドに含まれるクエン酸は、肌の古い角質を取り除く効果があります。古い角質を取り除くことで、肌の新陳代謝を促進し、肌の弾力を保ち、シワの予防につながります。

以上のように、パイナップルセラミドは肌の保湿、バリア機能の強化、新陳代謝の促進によって、肌の老化やシワの予防に役立つことができます。

図2 紫外線照射によるシワ形成の抑制作用(シワ体積率)
図2 紫外線照射によるシワ形成の抑制作用(シワ体積率)

保湿効果

肌の水分保持には真皮中の細胞から産生されるヒアルロン酸と皮膚細胞での水分運搬に携わるたんぱく質(アクアポリン)が重要な役割を担っています。化粧品用パイナップルセラミドを処理することでヒアルロン酸産生能の向上と、皮膚細胞での水分の運搬に携わるたんぱく質が活発に働くようになることをそれぞれ、遺伝子の発現を調べることで検討しました。

パイナップルセラミドを処理することで、ヒアルロン酸合成酵素およびアクアポリンのmRNAの発現量が増加したことから、保湿効果が向上する結果が得られています。

パイナップルセラミドは、肌の保湿効果に優れた成分であり、肌表面の角質層に存在する天然のセラミドと非常に似た構造を持っています。肌の角質層には、セラミドが豊富に含まれており、その役割は肌の水分蒸発を抑制することです。しかし、加齢や外部刺激によって、セラミドが減少し、肌の保湿力が低下してしまいます。そのため、パイナップルセラミドを含む化粧品を使用することで、肌の保湿力を高めることができます。

パイナップルセラミドには、グリセリンや天然由来のアミノ酸といった保湿成分も含まれており、これらの成分が肌にうるおいを与え、保湿力を高めます。また、パイナップルセラミドは、肌の表面に膜を形成することで、肌の水分蒸発を防止し、肌に潤いを与える効果があります。このように、パイナップルセラミドは、肌の保湿力を高め、乾燥やかゆみを防ぎ、肌の健康を維持するのに役立ちます。

さらに、パイナップルセラミドは、肌の柔軟性を高めることで、肌のハリや弾力を保ち、肌の老化やシワの予防にも役立ちます。そのため、パイナップルセラミドが含まれる化粧品を使用することで、肌を健やかに保ち、美しく若々しい肌を維持することができます。

図5 アクアポリン3(AQP3) mRNA発現促進作用
図5 アクアポリン3(AQP3) mRNA発現促進作用
>図4 ヒアルロン酸合成酵素3(HAS3) mRNA発現促進作用
図4 ヒアルロン酸合成酵素3(HAS3) mRNA発現促進作用

バリア機能向上効果

セラミドは肌のバリア機能において重要な構造を形成しています。セラミドの不足はバリア機能の低下を意味します。
パイナップルセラミドを処理することで、セラミドの産生促進効果を3次元皮膚モデルを用いて検討しました。

パイナップルセラミドを処理した3次元皮膚
モデルはセラミドの量が向上している結果が得られています。

パイナップルセラミドには、肌のバリア機能を向上させる効果があります。肌のバリア機能とは、外部からの刺激や乾燥などから肌を守る働きをする皮膚の機能のことで、肌の水分蒸発を防ぎ、外部刺激から肌を守る役割があります。

パイナップルセラミドは、セラミドと同様の構造を持ち、肌の角質層に浸透することで、肌のバリア機能を強化します。パイナップルセラミドは、肌の表面に薄い保護膜を形成することで、外部からの刺激や乾燥から肌を守ることができます。この保護膜は、肌に必要な水分を保ち、肌を保湿することで、肌のバリア機能を向上させます。

また、パイナップルセラミドには、保湿効果があるため、肌の保湿力を高め、肌のバリア機能を向上させることができます。肌が乾燥していると、バリア機能が低下し、肌に外部からの刺激が入りやすくなります。しかし、肌がしっかりと保湿されていると、バリア機能が強化され、肌の弾力や健康状態を保つことができます。

以上のように、パイナップルセラミドには、肌のバリア機能を向上させる効果があり、肌の健康状態を保つことができます。

図7 ヒト3次元皮膚モデルでのセラミド産生促進効果
図7 ヒト3次元皮膚モデルでのセラミド産生促進効果

引用:『美肌科学の最前線』シーエムシー出版

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会

その他機能について