食事性グルコシルセラミドの機能性(接触性皮膚炎に及ぼす効果③)

接触性皮膚炎モデルマウスを用いた研究の結果から、グルコシルセラミドの摂取により炎症性サイトカインの生成を抑制することができると考えられます。
このことは皮膚炎の症状緩和のみならず、サイトカインの異常亢進が引き起こすアレルギー疾患の緩和にも効果が期待されることになります。

さらなる研究としてグルコシルセラミドの投与により、アクアポリン-3の発現を増加させる作用が確認されています。
アクアポリン-3は細胞内に水分子を取り込む機能を持つことから、皮膚のバリア機能の改善効果が期待されます。

接触性皮膚炎モデルマウスの研究の結果、グルコシルセラミドの摂取により炎症性サイトカインの生成を抑制、アクアポリン-3の発現を増加させるということが明らかになった。

グルコシルセラミドは皮膚の角質層に存在する重要な脂質であり、水分保持能力やバリア機能に関与している。
アクアポリン-3は皮膚細胞における水分輸送を担うタンパク質であり、皮膚の水分量や弾力性に影響する。
接触性皮膚炎モデルマウスにグルコシルセラミドを経口投与したところ、皮膚の乾燥や炎症が改善され、アクアポリン-3の発現が増加した。

これらの結果は、グルコシルセラミドが皮膚のバリア機能を強化し、アクアポリン-3の発現を誘導することで、接触性皮膚炎のかゆみや症状を軽減する可能性を示唆している。

引用:明治大学農学部研究報告

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会