食事性グルコシルセラミドの機能性(皮膚バリア機能に及ぼす効果①)

ヘアレスマウスを用いた研究-1

マグネシウム欠乏飼料(HR-AD)を給餌することでアトピー性皮膚炎を誘発させてたヘアレスマウスにグルコシルセラミド混合飼料を与えたところ、通常飼料摂取のマウスに比べ回復時期が早まるという結果が得られたことからグルコシルセラミドの摂取が皮膚バリア機能を向上させる可能性が示されています。

皮膚は、外界からの刺激や感染に対する最初の防御線として機能する重要な器官である。皮膚バリアは、角質層とその下にある細胞層から構成され、水分の蒸発や異物の侵入を防ぐ役割を果たす。

皮膚バリアの形成や維持には、様々な分子や細胞が関与しているが、その詳細なメカニズムはまだ十分に解明されていない。
本研究では、ヘアレスマウスという毛のない遺伝子改変マウスを用いて、皮膚バリアの発達や障害について調べた。
ヘアレスマウスは、正常なマウスと比べて、皮膚バリアの形成が遅れたり、乾燥や炎症に対して敏感であったりすることが知られています。

【経表皮水分蒸散量】

皮膚バリアの回復指標として用いられています。
経表皮水分蒸散量は肌の角層を通して蒸発する水分量のことを言い、バリア機能が低下した皮膚からは水分の発散が多くなることから、測定値の低下がバリア機能の向上・回復を意味しています。

経表皮水分蒸散量(TEWL)とは、皮膚表面から水分が蒸発する量のことです。TEWLは皮膚バリアの機能を評価する指標として用いられます。
皮膚バリアとは、皮膚の最も外側にある角質層が形成する保護層のことで、水分の保持や外部刺激からの防御に重要な役割を果たしています。皮膚バリアが正常に働いている場合、TEWLは低くなります。逆に、皮膚バリアが損傷されたり乾燥したりすると、TEWLは高くなります。したがって、TEWLを測定することで、皮膚バリアの状態や水分保湿力を把握することができます。

引用:明治大学農学部研究報告

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会