食事性グルコシルセラミドの機能性(皮膚バリア機能に及ぼす効果②)

セラミド合成酵素発現に関する研究-1

グルコシルセラミド混合飼料を摂取したマウスの皮膚バリア機能の向上効果が皮膚からの水分蒸散量の低下から得られていますが、同時にセラミド合成酵素の発現に関与するmRNA量も2倍近くに増加したという結果も得られています。

そこからヒト表皮細胞を用いた実験にて、培養中にグルコシルセラミドの分解産物であるスフィンゴイド塩基を加えたところセラミド合成酵素のmRNA量の増加を確認することができました。

このことから経口摂取したグルコシルセラミドが消化管内でスフィンゴイド塩基にまで分解・吸収されることによって表皮における細胞間脂質の合成原料として用いられるだけでなく、セラミド合成酵素の発現に関与しセラミド合成を増加させる可能性が示唆されています。

セラミド合成酵素発現と皮膚の健康・美容

セラミド合成酵素発現と肌の健康・美容に関する研究は、セラミドという成分を合成する酵素の発現に焦点を当てた重要な学術領域です。セラミドは、肌のバリア機能を担う役割を果たし、肌の保水力や防御力を維持するために欠かせない成分です。このセラミド合成には、特定の酵素群であるセラミド合成酵素が関与しています。

この研究では、セラミド合成酵素の遺伝子発現についての調査が行われ、セラミド合成の調節機構を解明する試みが進められています。具体的には、セラミド合成酵素の遺伝子発現を制御する転写因子の同定や、細胞内のシグナル伝達経路の解析などが行われています。これにより、セラミド合成酵素発現の制御メカニズムや関連因子についての理解が深まっています。

肌の健康や美容に関わる重要な分野であり、その成果は幅広い応用価値を持っています。例えば、セラミド合成を助ける成分や方法の開発においては、この研究から得られた知見が重要な基盤となっています。さらに、セラミド合成酵素発現の異常が関与する皮膚疾患や老化のメカニズムの解明にも貢献しています。

以上のように、セラミド合成酵素発現に関する研究は、セラミドの役割や合成に関する理解を深めるだけでなく、肌の健康や美容における応用にも大いに貢献している重要な研究分野です。文章に変化を持たせるために、異なる言葉で始まる文を交えました。

【セラミド合成酵素】

セラミドを合成する酵素であり、これまでに6つのアイソフォーム(CerS1-6)が同定されています。

セラミド合成酵素は、セラミドを合成する酵素であり、現在までに6つのアイソフォーム(CerS1-6)が同定されています。セラミドは、肌の角質層に存在し、肌のバリア機能や保湿力を維持するために重要な役割を果たしています。セラミド合成酵素は、これらのセラミドを合成する過程で関与し、各アイソフォームは特定の脂肪酸チェーンの長さや特性に選択的に作用します。それぞれのアイソフォームは、異なる組織や細胞で発現しており、セラミドの種類や量に影響を与えることが示唆されています。セラミド合成酵素の研究は、セラミドの合成とその生物学的機能に関する理解を深める上で重要な役割を果たしています。

引用:明治大学農学部研究報告

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会