植物由来グルコシルセラミドの食品機能性 ⑩

ここまで、植物由来グルコシルセラミドの経口摂取による機能性の検討がされてきました。
グルコシルセラミドの代謝産物であるスフィンゴイド塩基が小腸または大腸にて吸収、作用することで肌の保湿効果、免疫強化、抗腫瘍効果など多くの機能性を示すことが明らかになってきています。

植物性グルコシルセラミドの構成セラミド組成は動物由来スフィンゴイド塩基と比較しても複雑で、種や組織による多様性が見られるため今後の研究でさらなる物理的性質や機能性が確認されると考えられています。

植物由来グルコシルセラミドは、穀物や植物、酵母などの食品に含まれるセラミドの一種で、グルコースとセラミドが結合しています。この植物由来グルコシルセラミドの摂取による機能性について、以下のような研究が行われています。

構成セラミド組成は複雑で、種や組織による多様性があるため、植物由来グルコシルセラミドの物理的性質や機能性については、今後の研究により詳しく解明されることが期待されています。

一部の研究によれば、植物由来グルコシルセラミドの摂取により、皮膚の保湿効果が向上したり、皮膚のバリア機能が強化されたりすることが示されています。また、動物実験においては、植物由来グルコシルセラミドの摂取により、肝臓の機能改善や免疫力の向上が観察されたりすることが報告されています。

しかしながら、現在のところ、植物由来グルコシルセラミドの機能性については、十分に解明されていない部分が多く、さらなる研究が必要とされています。

植物由来グルコシルセラミド

引用:オレオサイエンス

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会