植物由来グルコシルセラミドの食品機能性 ⑦

グルコシルセラミドの代謝産物であるスフィンゴイド塩基の大腸ガン予防効果の研究が進められています。

スフィンゴイド塩基がガン細胞の細胞死(アポトーシス)を誘導する作用が既に報告されていますが、正常腸菅細胞モデルを用いて、スフィンゴイド塩基が正常細胞におよぼす影響を検討しています。

◎ Caco-2(ヒト結腸直腸ガン)細胞 ⇒ 分化 ⇒ 正常腸管細胞

■ Caco-2細胞へのスフィンゴイド塩基添加 → アポトーシス誘導 

■ 正常腸管細胞へのスフィンゴイド塩基添加 → アポトーシス誘導 

以上の結果よりスフィンゴイド塩基は正常細胞には影響を与えず、ガン細胞に対し特異的アポトーシスを誘導していると考えられ、これにより経口でグルコシルセラミドを摂取することが大腸ガンの予防につながると考えられています。

大腸ガンは、日本人においても最も多いがんの一つであり、予防や治療に向けた研究が盛んに行われています。その中で、スフィンゴイド塩基がガン細胞の細胞死(アポトーシス)を誘導する作用が報告されており、特に大腸ガン細胞に対して特異的にアポトーシスを誘導することが分かっています。さらに、これらの研究では、スフィンゴイド塩基が正常腸管細胞にはほとんど影響を与えず、がん細胞にのみ効果を示すことが示されています。

このような研究結果から、経口でグルコシルセラミドを摂取することが大腸ガンの予防につながる可能性があると考えられています。グルコシルセラミドはスフィンゴイド塩基の一種であり、大腸ガン細胞に対して特異的な作用を示すことが示唆されています。しかし、具体的な摂取量や効果に関してはさらなる研究と臨床試験が必要です。

大腸ガンの予防や治療に関しては、定期的な検診や健康的な生活習慣の維持が重要です。医師や専門家の指導のもと、適切な予防策や治療方法を検討することが推奨されます。

引用:オレオサイエンス

監修

江口  文陽
江口  文陽教授
1965年群馬県生まれ、東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程修了(博士)、日本学術振興会特別研究員、東京農業大学非常勤講師、高崎健康福祉大学助教授、教授を経て2012年4月東京農業大学教授。同大学院指導教授、2021年4月より東京農業大学学長に就任

出身学校
1984年04月 - 1988年03月 東京農業大学 農学部 林学科(林産学コース) 卒業

取得学位
東京農業大学 - 博士(林学)

学内職務経歴
2012年04月 - 継続中 東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 教授
2016年04月 - 継続中 東京農業大学 (その他の組織) 東京農業大学「食と農」の博物館 館長
2021年04月 - 継続中 東京農業大学 学長

所属学会・委員会 等
1985年04月 - 継続中 日本木材学会
1988年06月 - 継続中 日本きのこ学会
1995年04月 - 継続中 日本炎症再生医学会
1995年04月 - 継続中 日本農芸化学会
1995年05月 - 継続中 応用薬理研究会