真皮をターゲットにした機能性①(in vitro機能性の検討)

表皮と同様に、真皮組織においても皮膚の恒常性は外的・内的要因により低下し生理的機能のバランスは徐々に崩れていきます。
真皮においては、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン等の細胞外マトリックスの量的な減少とともに、変性や分解、糖化といった質的な変化が引き起こされ、肌はハリやツヤを失い、くすみやシワ、タルミといった症状を呈するようになります。

真皮を構成している主な細胞である皮膚線維芽細胞は細胞外マトリックスを形成する種々のタンパク質を産生しています。
この皮膚線維芽細胞にパイナップルセラミドを処置したことで細胞の増殖能が促進したという結果が得られています。


引用:FOOD STYLE21

肌構造をターゲットにした機能性(in vitro※機能性の検討)

ヒトの肌は表皮と真皮で構成されており、これらを繋ぎ止める役割を担っている結合組織があります。
この結合組織は細胞外マトリックスおよび基底膜とも呼ばれ、主要な成分はコラーゲンや糖、タンパク質からなります。
細胞が産生しているコラーゲンやラミニン等のタンパク質は皮膚機能の恒常性を維持するのに重要な役割を担っています。

本研究では、パイナップルセラミドによるⅣ型コラーゲンとラミニン332の産生促進作用を検討しています。



引用:FOOD STYLE21

表皮をターゲットにした機能性②(in vitro機能性の検討)

ヒトの表皮は様々な物質が細胞の間を通り抜けることを防ぐために細胞同士が結合しており、この構造をタイトジャンクションと呼びます。
このタイトジャンクションを構成するたんぱく質であるオクルディンについてパイナップルセラミドによる産生促進作用を検討しています。

また、表皮を構成する細胞であるケラチノサイト(角化細胞)の成熟に重要な役割をはたすトランスグルタミナーゼⅠの産生促進作用についても検討しています。



引用:FOOD STYLE21

表皮をターゲットにした機能性①(in vitro機能性の検討)

表皮は生体と外界の境界に存在し、水分の蒸散を防ぎ、生命を維持するという生理的機能を有しています。しかし、加齢に伴う内的要因(内分泌、栄養、免疫系、酸化など)や種々の外的要因によりその生理的機能は影響を受け、表皮バリア機能、水分保持機能は低下します。
この結果、皮膚は外部からの刺激に弱くなり、ターンオーバーが乱れ、くすみや肌荒れ等のトラブルが起こりやすくなります。

表皮を形成する主な細胞である、表皮角化細胞を用いて、パイナップルセラミドのバリア機能や水分保持機能の改善につながる成分の産生能向上効果を検討した結果が報告されています。

バリア機能に欠かすことのできない角質層の形成に重要な役割をはたしているフィラグリン産生能と細胞が水分を保持する機能の改善につながるアクアポリン3の遺伝子発現促進作用について検討しています。



引用:FOOD STYLE21

肌の透明感・くすみに対する機能性②(in vitro※機能性の検討)

タンパク糖化最終生成物(AGEs)による糖化ストレスが肌の色調に大きな影響を与えることが知られており、特に真皮のタンパクであるコラーゲンやエラスチンの糖化は、皮膚の硬化やシワのみならず黄ぐすみの原因になることが示されています。
最近の研究では、角層タンパクも糖化することが報告されおり、これによってターンオーバーの遅延につながり、くすみが進行することで透明感が減少することが示唆されています。

パイナップルセラミドの角層タンパクに対するAGEs形成抑制作用について検討した結果が報告されています。

TYPE Iコラーゲンをリボース(糖)で処理して糖化を誘導するのと同時にパイナップルセラミドを作用させたものを2週間置き、抗AGEs抗体を用いて、生成されたAGEsをELISA法で検出します。


引用:FOOD STYLE21

肌の透明感・くすみに対する機能性①(in vitro※機能性の検討)

肌の透明感喪失の原因は、角層の主成分であるケラチンがカルボニル化を起こし、線維構造が変質することで光の透過率が減少することであるとされています。

パイナップルセラミドの角層タンパクカルボニル化抑制作用について、
テープストリッピング法にて採取した角層を用いて検討した結果が報告されています。

角層を次亜塩素酸で処理し、人為的にカルボニル化させることができます。
カルボニル化された角層を蛍光色素により可視化し、画像処理により数値化します。

次亜塩素酸処理によってカルボニル化された角層を抑制率0%として、パイナップルセラミドを合わせて処理したもののカルボニル化抑制率を算出しています。

※in vitroとは「ガラス管の中」を意味する言葉で、研究においては、ヒトや動物の組織(細胞)を培養し、被験物質の有用性、安全性の検討に用いる試験のことを指します。

引用:FOOD STYLE21

乾燥肌モデルマウスを用いた皮膚機能改善効果の検討(3)

乾燥肌を発症させたマウス、パイナップルセラミドを与え乾燥肌の発症を抑えたマウス、それぞれの皮膚組織を採取し、組織染色(HE染色)を行った結果が報告されています。

HD-AD飼料を与えたマウスの皮膚組織は角質の肥厚が見られるのに対し、パイナップルセラミドを摂取したマウスは角質の肥厚が抑えられていることが示されています。
角質の肥厚は組織の正常なターンオーバーを妨げ、様々な皮膚トラブルを引き起こすことが知られています。

引用:FOOD STYLE21

乾燥肌モデルマウスを用いた皮膚機能改善効果の検討(2)

特定の飼料(HD-AD)を与え、乾燥肌(アトピー性皮膚炎様症状)を発症させたマウスと、パイナップルセラミドを同時に与え、乾燥肌の発症を抑えたマウスの背部皮膚のバリア機能について評価した結果が示されています。

HD-AD食を与え、乾燥肌を発症させたマウスは、水分蒸散量の数値(TWEL値)が上昇、水分量が低下しバリア機能が悪化していますが、パイナップルセラミドを同時に与えたものは、処置を施していない通常食群とほぼ同様のバリア機能を維持しています。

引用:FOOD STYLE21

乾燥肌モデルマウスを用いた皮膚機能改善効果の検討(1)

乾燥肌モデルマウスを用いたパイナップルセラミドの皮膚機能改善効果の検討結果が報告されています。

特定の飼料(HD-AD)を与えることで乾燥肌(アトピー性皮膚炎様症状)を発症するマウスにパイナップルセラミドを同時に与えることにより、乾燥肌の発症を抑える効果が示されています。


引用:FOOD STYLE21

疑似腸管炎症モデルを用いた皮膚機能改善作用の検討

パイナップルセラミドの肌に対する機能性を示す研究結果が多く得られていますが、摂取されたパイナップルセラミドの消化管での吸収や、体内動態については未知の部分が多く残っています。

疑似腸管モデル(図参照)を用いた、免疫細胞への影響について、皮膚機能を改善させるIL-23(インターロイキン)の発現を促進させる研究結果が報告されています。

図 疑似腸管モデル実験系とIL23発現による肌機能への影響

引用:FOOD STYLE21