遺伝子の発現調節
動物実験によるグルコシルセラミドの給餌でいくつかの遺伝子の発現がマイクロアレイを用いた網羅的解析により確認されています。
- ケラチン合成に関する遺伝子
- 角質細胞の密着結合に関する遺伝子
- 角質細胞の周辺帯の形成に関する遺伝子
これにより食事性グルコシルセラミドがセラミド合成系以外の複数の遺伝子の発現調節にも影響することが示されました。
現在、グルコシルセラミドの遺伝子発現調節への作用機序についての研究が行われています。
また、これら遺伝子の発現により皮膚組織のセラミド合成を促進することで、セラミド量の低下が原因とされる乾燥肌、アトピー性皮膚炎、乾癬等の皮膚病の予防や治療に役立つと考えられています。
グルコシルセラミド(GlcCer)は、スフィンゴ脂質の一種で、細胞膜や皮膚のバリア機能に重要な役割を果たしています。
グルコシルセラミドは、食事から摂取することもできますが、その効果や作用機序についてはまだ十分に解明されていません。
最近の研究では、食事性グルコシルセラミドが、皮膚や内臓のセラミド合成に関与する遺伝子の発現を調節することが示されています。
これは、食事性グルコシルセラミドが、セラミド合成酵素やセラミド分解酵素の活性を変化させることで、セラミドの代謝を制御する可能性を示唆しています。
引用:明治大学農学部研究報告