特定の分子構造を持つ植物および真菌由来のスフィンゴイド塩基に動物由来のスフィンゴイド塩基よりもわずかに高いガン細胞へのアポトーシス(自然死)誘導活性が示されるという研究結果が得られいます。
このことから経口摂取した植物および真菌由来のグルコシルセラミドが消化器官内で分解を受けたスフィンゴイド塩基の形態で大腸まで到達することにより、動物由来のスフィンゴイド塩基と同様にがん細胞に作用すると考えられ、これが大腸ガン抑制作用へ繋がると示唆されています。

引用:オレオサイエンス
特定の分子構造を持つ植物および真菌由来のスフィンゴイド塩基に動物由来のスフィンゴイド塩基よりもわずかに高いガン細胞へのアポトーシス(自然死)誘導活性が示されるという研究結果が得られいます。
このことから経口摂取した植物および真菌由来のグルコシルセラミドが消化器官内で分解を受けたスフィンゴイド塩基の形態で大腸まで到達することにより、動物由来のスフィンゴイド塩基と同様にがん細胞に作用すると考えられ、これが大腸ガン抑制作用へ繋がると示唆されています。
引用:オレオサイエンス
グルコシルセラミドが代謝分解された状態であるスフィンゴイド塩基にガン細胞のアポトーシス(自然死)誘導活性が認められることが報告されていますが、その構造によってもアポトーシス誘導活性に差がみられることが報告されています。
ダイズ由来のスフィンゴイド塩基(トランス型構造)に比べ、トウモロコシやコムギ由来のスフィンゴイド塩基(シス型二重結合構造)に高いアポトーシス活性が認められたという結果が得られています。
この構造の違い(割合)は由来となる植物・真菌の種類によって顕著にことなっているという報告がされています。
引用:オレオサイエンス
植物由来グルコシルセラミドの代謝産物であるスフィンゴイド脂質がガン細胞のアポトーシス(自然死)を引き起こす作用があることが示唆されていますが、セラミドの形態によるアポトーシス活性に差についての検討も行われています。
代謝されたスフィンゴイド塩基ではアポトーシス作用が認められたが、代謝を受けていないセラミドの状態ではアポトーシスの作用が見られないことがわかりました。
また、細胞膜透過型のセラミドC2-セラミドではアポトーシス作用が確認できたことから細胞膜透過性がアポトーシス活性に影響をすると考察されています。
引用:オレオサイエンス
動物由来のグルコシルセラミド(スフィンゴ脂質)に見られるガン細胞へのアポトーシス(細胞自然死)誘導作用が植物由来および真菌由来のグルコシルセラミドにも確認ができるかをヒト結腸ガン細胞株(Caco-2細胞)を用いて検討がされています。
植物から抽出されたスフィンゴ脂質をCaco-2細胞に添加し、TUNEL法によりアポトーシス核の特異染色を行った結果、断裂化した核のみが染色されていることが確認されたことから、植物由来スフィンゴイド塩基がCaco-2細胞においてアポトーシスを誘導していることが示されています。
引用:オレオサイエンス
植物由来グルコシルセラミドには保湿性向上・美白効果などの活性が見出されており、すでに機能性食品素材として利用されています。
植物由来グルコシルセラミドは動物由来のものと比べて分子構造が複雑で由来となる植物により構成分に特徴が認められています。
既に動物由来のスフィンゴ脂質には抗発がん作用や各種細胞へのアポトーシス誘導作用が知られていることから、植物由来のものにも同等の作用が認められるかの検討が行われています。
引用:オレオサイエンス
本研究会ではパイナップル由来のグルコシルセラミドについて有用性をお伝えしていますが、日常において知らずの内に摂取をしているグルコシルセラミドの由来は多岐にわたります。
それぞれに構造的な違いがあり、それが有用性の特徴として表れています。
日常的に摂取している食品にどのくらいのグルコシルセラミドが含まれているかについての研究もなされています。
引用:日本栄養・食糧学会誌
グルコシルセラミドをはじめとしたスフィンゴイド塩基を構成成分とする脂質であるスフィンゴ脂質が経口摂取する(食べる)ことによってどのように機能性成分として皮膚等の組織に作用するのかはいまだに多くの不明点が残されています。
動物実験を主体とした知見を基に、スフィンゴ脂質の消化と吸収についての概要が示されています。
引用:日本栄養・食糧学会誌
表口にて摂取されたグルコシルセラミドが腸内で分解・吸収されることで様々な作用を持つことが、動物実験や細胞を用いた実験などで研究がされています。
特にパイナップル由来グルコシルセラミドがもつ分子構造は、腸管から吸収された後の肌に対する多くの機能性が報告されています。
セラミドは経口摂取により抗腫瘍や抗炎症効果が示される研究結果が示されており、食品機能成分として注目を集めています。
皮膚炎症状の改善効果における作用機序を解明するための研究が行われ、パイナップル由来グルコシルセラミド特有の効果について報告がされています。
皮膚に乾燥症状を引き起こす特殊飼料(HR-AD)を食餌として与えられたマウスにパイナップル由来グルコシルセラミド(P-GluCer)を経口投与することで炎症の改善が見られる
〈作用機序〉
HR-ADにより引き起こされる血中TGF-β(細胞増殖因子)の減少をP-GluCerが元の状態まで回復させるため
この作用についても細胞を用いた研究(in vitro)にてさらに詳細な作用機序の解明が行われています。
外部からの刺激によりセラミドが脂質メディエーターとして細胞の増殖抑制、分化促進、細胞死の誘導など生理活性をもつことが示されていますが、セラミドの代謝産物も同様にメディエーターとしての役割を果たしています。
セラミドが酵素により代謝されて産生されるスフィンゴシン-1-リン酸およびセラミド-1-リン酸は抗菌ペプチドの産生を調節することが示唆されています。
抗菌ペプチドは生体防御に必須な自然免疫のひとつです。